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朝日新聞の方針転換?

  朝日新聞が連載「電力の選択 ポスト311」の1回目で今日、「電力権益 脈々−自然エネルギー 政界泥仕合」「政策見直し 経産省抵抗」と題する記事を1,2面に掲載している。

 記事は、村松真次、小森敦司両記者の署名記事で、科学技術庁と電力会社がグルになって自然エネルギーの普及を阻止、原発を推進させてきたことにまで踏み込んでいる。また、電力会社を含む産業界の意向を受けて経産省が様々な形で暗躍している様を具体的に書いたことでも出色の内容だ。これは朝日新聞の社運をかけた連載と言って良いだろう。

 1面の村松記者の記事に目新しいものは見当たらないものの、「菅下ろし」の暴風の出処と経緯が明確にされている。読み応えのあるものだ。

 特に注目すべきは2面の小森記者の記事だ。菅首相が震災を受けて大きくエネルギー政策転換に舵を切る様が具体的に明かされている。エネルギー政策を握り、電力業界を所管(代弁?)する経産省の手からその立場を奪い、官邸主導で進めようとする菅首相に対して、経産省の役人が様々な手を使って妨害する様子は、読む者の怒りすら誘うものだ。

 菅氏はそれを「経産省による倒閣運動だ」と位置付け、それをさせてはならじとひとり奮闘している。

 だが、経産省もそれで引き下がる訳はない。原発の新規建設などを決める国家プロジェクト「エネルギー基本計画」が、諮問機関である総合エネルギー調査室(総合エネ調)の意見を聞いて経産大臣の手で作成されるという法律を盾にして、経産省は菅首相の動きをけん制しているようだ。

 経産省がなぜエネルギー政策の主導権を求めようとするのか、という事に関しても小森記者は「背後には、電力の安定的な供給や電力業界を取り巻く秩序の維持を求める産業界の意向がある」と表現は軟らかだが、核心を衝いている。

 産業界における電力業界の存在の大きさについても小森リポートは分かり易い。

 産業界の利益代表組織である経団連の副会長ポストが、原発事故が起きるまで、東京電力の指定席であったこと。また、地域の経済団体のトップも、ほとんどを(地域の)電力会社の会長が務めると指摘している。

 また、その電力会社の影響力の源泉が巨額の設備投資にあると、小森記者は手厳しく書いている。

 その数字を知ると、さもありなんと容易に理解できる。電力10社の09年度の設備投資額が約2兆円。93年度にはなんとその額が5兆円近くにまで達していたというのだ。

 朝日新聞も様々な事情があってこのような編集方針を打ち出したはずだ。「カネの切れ目が縁の切れ目の典型だ。もっと産業界は広告を朝日に出しておかないからこうなる」という声を、かつて経団連のメンバーである大手企業の幹部であった知人から聞いたが、たとえそれが事実であったとしても構わない。朝日新聞には“外圧”に負けて変節することだけはさせてはならない。

 そうさせないためにも我々読者は厳しい目をもって見続ける必要がある。読者の質の高さが紙面の質の高さにもつながるのだ。

 

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