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サッチャリズムと安倍首相

 「鉄の女」こと、サッチャー元英首相が8日、死去した。

 彼女は「英国病」という不況から英国経済を建て直した「偉大な指導者」と言われる一方で、「揺り籠から墓場まで」と謳われた福祉政策を崩壊させ、“Thatcher Milk Snatcher(牛乳を取り上げたサッチャー)" と呼ばれた。

 鉄の女の異名は、その恩知らずの生き方にも由縁する。彼女を文科相に取りたてたヒース氏が下野すると党の代表戦で挑み、代表の座を奪いとったのだ。その後英国初の女性首相になり、様々な分野において大胆な構造改革をした。福祉政策を破壊し、世界中の教科書にまで紹介されて憧憬の的であった健康保険制度をも大きく変えてしまった。国営企業の民営化や労働組合潰しを促進させた。

 だが、それでも英国病に苛まれたままで改善の兆しが見られぬと、戦争という“ビジネス”に着目。アルゼンチンとのフォークランド戦争に活路を見出した。これが大成功。経済再建に成功して彼女の政治生命に劇的変化が生まれた。

 サッチャー氏は世界中に信者を産んだ。安倍首相の言動を見ていると、彼もその一人のようだ。安倍氏は当時の英国と今の日本に共通点を多く見出したのだろう、“サッチャリズム”を踏襲しようとしているように見える。

 だが、間違ってはいけないのだが、サッチャー氏の評価は、財界寄りのメディアを除いては30年前とは打って変わって不評だ。

 特に、社会情勢を分析する専門家達の間では「サッチャリズムは個人主義の概念を捻じ曲げた」と指弾される。安倍氏が「自助」を強調しているが、そのやり方が近い将来どんな結果をもたらすかを英国に学ぶべきだ。

 「英国はそんなに酷い状況ではない」と言う人がいるだろう。だが考慮すべきは、英国には様々な「安全装置」があり、それらが機能するが、日本には残念ながら三権分立を含めて無いに等しいという点だ。

 サッチャー氏の死を悼む気持ちは私にもある。死者に鞭打つつもりも無い。だが、彼女の訃報を受けてその功績を異常なまでに褒め称える日本のマスコミ報道に危うさを感じたので一文を草する事にした。

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