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AUTHOR: asaikuniomi_graffiti

TITLE: 私の視点 災害支援大国構想 ―自衛隊を解体し救助隊に―
DATE: 02/23/2006 03:16:44
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 フィリピンのレイテ島における大規模土砂崩れは、現場に入った救助隊もその規模に圧倒され、また足場が悪く重機を持ち込めないことから救助は難航している。



 今回、発災して3日経っても現場には地元の救助隊の他には、台湾とマレイシア、それに米海兵隊が駆けつけただけで、世界各国の対応の悪さが目立った。それはマスコミが最初から現場のあきらめムードを強調したことも関係しているように思われる。これまでの大災害に共通することだが、一部の国を除いてほとんどの国が国際的なマスコミ報道を見て動き始める。だから、時機を逸すると、「もう今から行っても仕方がないから」と少額の救援物資を送ってお茶濁しをしようとするのが通例だ。



 日本政府も例外ではない。今回、朝日新聞は発災当初から大きく紙面を割いて的確に報道していたが、他の報道機関はというと、相変わらず危機感が伝わらない伝え方をしている。それに影響されたのだろう。IRT(国際緊急援助隊)を送ることなく、2500万円の救援物資支援で済まそうとしている。



 だが、日本はこれまで多くの自然災害に見舞われてきた、いわば「災害大国」だ。そして、阪神大震災の時には、世界各地から救助隊が駆けつけたり、巨額の支援が送られてきた。それだけに、日本はそのお返しをする意味でも他の国と同じでは済まされないと私は思う。世界のどこかで大災害に見舞われる国や地域があれば、どこの国よりも早く駆けつけ、篤い支援をすべきである。そして知識と経験を生かして被災地の復旧だけでなく復興までも手助けするのが「筋」というものだ。



 ところが、残念ながら「喉元過ぎれば…」の得意技を持つ日本人は、あの時受けた恩を記憶の中に長く留めておくことができず、大規模災害が他国で起きても「近所付き合い」程度の支援しかしなくなっている。一年前20数万人の命が奪われたスマトラ沖地震がその好例で、未曾有の大災害であったのにIRT-JF(国際消防救助隊)を出動させることなく、送ったのは同じIRTでも医療班だけに止まった。支援額に関しても、最終的に40億円の支援をしたが、最初に決めたのはその10分の1以下。F1ドライヴァーのシューマッハ氏が個人で10億円を超える寄付をしたことに刺激を受けたと言われても仕方がない体たらくであった。

 

 今回の土砂崩れでもIRT-JFの派遣はなかった。外務省や消防庁の人間の中には、マスコミ情報を派遣しない理由にする者がいるが、それは出動をしなかった言い訳に過ぎず、本来なら発災直後に現地との連絡と隊員の召集を同時にかけるべきであった。それでなければ、IRT-JFの「発災から24時間以内に出発」という謳い文句はただの絵空事だ。これは何が問題なのかと言うと、まずIRT-JFが全国からの寄せ集めで当番制になっているから、外務省の担当者は、「もし現地に送っても必要とされなかったら」などといった心配が先にたつことになる。また、民間機に席を探してそこに潜り込ませることも担当者を悩ますシステムである。



 担当者には、たとえ誰も救助できなかったとしても、被災国や被災者から門前払いを食らってもいいから積極的に判断しろと言えば、もう少し違う対応ができたはずである。「現地政府との交渉は外務省」「IRTはJICA」「IRT-JFは総務省」などとお役所的縦割り系統をここでも作ったことが救助活動が思うようにできない原因の一つと言える。



 その辺りのことは、週末に消防大学の救助部門の教官と一献傾ける事に(ただし私は下戸)なっているのでまた報告させていただきたい。



 こういう体たらくを断ち切るためにはどうしたらいいか。それは日本が「災害救助大国」への道に歩みだすことだと私は考える。「災害大国」日本だけが模索できる、いやしなければならない道があるはずである。それは結果的に、我が国で将来必ずや起きるであろう大災害に役立つ形で返ってくるはずだ。

 

 私の構想はひと言で言えば、自衛隊を解体して救助隊に変わってもらおうというもの。20万人の自衛隊員の迷彩服を救助作業服に着替えさせ、武器を救助用資機材に持ち替えて世界で活躍してもらいたいのだ。



 私の構想を聞いて即座にうなずく人は少ないだろう。いや、それどころか荒唐無稽の“平和ボケ”が考える理想論と決め付ける人も多いはずだ。だが、この場ではそう決め付けずしばらくは私の主張にお付き合いいただきたい。



 日本の自衛隊は、陸海空合わせて20数万人規模の人員を抱え、「防衛関係費」だけで約5兆円、「後年度負担(複数年度に渡って契約する艦船などの装備費)」に1兆数千億円が使える。予算規模だけで言えば、世界の中でも指折りの軍隊である。ところが、幸か不幸か、その戦闘能力は自衛隊の諸君に失礼になるが、予算規模に見合うものではない。いくら最新防衛網を整え、ミサイルを揃えても現在の「仮想敵国・中国」相手にまともに戦える戦力を有しているとはとても思えないのだ。それは、隊員一人一人の戦闘能力というよりも「想定」「プラニング」を担う中枢が、中国に比べて大きく見劣りすることが一番の要因だ。これは、米軍関係者の中でも昔から言われている。



 「だからと言って、それがなぜ自衛隊解体論につながるのか」と思われるかもしれない。「非武装で外国から攻められたらどうするか?」と言う声も聞こえてくる。



 そういう方たちに私は問い返したい。自衛隊で本当に国を守れるとお考えですか、と。



 「いや、頑張っていれば、アメリカが駆けつけてくれる」とその人たちは答えるだろう。



 こうなると、そのノー天気ぶりにアハハ、である。そして私は言う。



 「あなたはイラクで何を見たのですか」と。



 米軍は2003年3月19日に対イラク戦争を始めてから約5週間で勝利を確信し、空母「リンカーン」の艦上で同年5月1日、「戦闘終結宣言」を高らかに読み上げたものの、そこから一気に戦況は悪化、ゲリラと化したイラク軍の決死の攻撃の前にたじたじとなった。自爆攻撃を恐れるあまり、精神障害を発症した兵士の数も少なくない。そのような理由から米軍兵士達は今やできる限り人的損害を少なくしようと、警備や巡回の任務は新イラク軍や警察に任せ、自分達は要塞化した基地や駐屯地に閉じこもっている。そんな米軍を見てまだ「頼れるアニキ」と思っているとしたら、その人は政治、経済といった分野を問わず、重要な地位に就くべきではない。



 米軍は、いざ中国と交戦する様な事態になれば、自国の利益を優先するあまり日本を切って捨てることも充分考えられる。もちろん表面上は、日本を支援する側に回るだろうが、米本土に影響が及ばぬように日本を主戦場にするはずだ。中国とて米本土を攻撃して戦火を広げる道は恐らく選ばぬだろう。そうなれば、日本が焼け野原となり、「陽はまた沈む」結末を迎える。



 そんな末路を迎えるよりも、私は自衛隊を解体して世界でも例を見ない救助隊に仕立て上げるほうに力を注ぎたい。防衛予算を半分に削っても予算規模数兆円の世界に例を見ない救助隊ができる。人員をたとえ段階的に削っていって半数にしても10万人だ。輸送手段は豊富だから、世界数箇所で大規模な災害が同時に発生しても素早く大胆な行動ができる。想像するだけでわくわくするような活動ができるはずだ。役割は被災現場だけにあるわけではない。全世界の国々で救助活動の技術を教える役割もある。植林や砂漠の緑化活動支援だって考えられる。そういった活動を積み重ねていけば、日本もやがて海外で高く評価されることになるだろう。



 防衛予算の大幅削減は、今日本が抱える大幅赤字の解消にも役立つ。日本政府は口をつぐんで国民に説明しないが、国全体の赤字額は気が遠くなるような数字になり、さきほど「リアルタイム財政赤字カウンタ」をのぞいてみると、1040兆円を超えていた。



 最後になるが、最悪を想定して日本が外国軍隊に攻め込まれたらどうするかとの問いには、私はズバリ、「そんな救助隊を持って世界に貢献する日本は攻めてこないって」と答える。でも最悪の事態になれば、と迫ってくる人には「無血開城」をすると答える。そして続ける。



 「侵略軍には徹底的なゲリラ戦を行なうのです。その時、私は何をするかって?もちろんその時は愛する家族や街を守るためにもゲリラになりますよ」



 これまで見てきた「現場」での知恵を生かして侵略者を悩ます活動を進んでやることは断言する。たとえ、世界中から「テロリスト」の汚名を被せられても戦い抜くつもりだ。だが、そんなことは最悪の事態だ。そうならないために今、我々は何をすべきか知恵を絞り、他国と協力関係を築いていくのだ。
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COMMENT:
AUTHOR: あさだ
URL:
DATE: 02/23/2006 19:45:18
大賛成です。

ぼんやり考えていたことをまとめていただいたようにに、読ませていただきました。

戦闘機、対潜哨戒機、空母、そんな武装をする予算で、どれだけのショベルカーやブルトーザー、救援隊の輸送機や輸送船。そして人員が用意できるのでしょうか。

紙鉄砲もゴムパチンコも持たない災害救助隊を、誰がどういう大義名分で攻撃できるのでしょうか。

またその国を攻撃する大義もたたない筈です。

ベトナムでアメリカが敗退したように、大義名分の立たない戦いは仕掛けたほうが絶対不利になります。

そんな道理も考えられない国の指導者や国があったら、その国のほうが先に滅びるのではないでしょうか。
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COMMENT:
AUTHOR: M.A.
URL:
DATE: 02/24/2006 16:31:21
全くの同意見です

こんにちは。ごぶさたしております。



実は私も、以前から「自衛隊を救助隊に」という浅井さんと全く同じ考えように考えてきました。

政府がひたすら「国際貢献」と叫んでいたときがありましたね。特にそのとき、そう感じていました。そう本当に思うのであれば、他に類を見ない国際貢献が、災害大国日本ならできると。



さらに、1960年代に放映されていたサンダーバードのようなものへの憧れ。これも、年少時代に刷り込まれたからでしょうか。もう40年を経ているのに、あの時代をまだ世界は超えられていない。。



どんなに兵器を持っていても、ミサイルが飛んでくればおしまい。それなら、丸腰であろうがなんであろうが関係ない。日本の防衛力のさらなる強化を叫ぶ人もいるようですが、逆に覚悟、度胸がないなあ、と感じています。



自衛隊員も、胸をはって、本当に喜ばれながら仕事ができる。そういうやりがいや誇りをもって、仕事に取り組ませてあげたい、とも感じます。
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COMMENT:
AUTHOR: 宮坂亨
URL:
DATE: 02/26/2006 21:28:18
同意見を「週刊金曜日」に

はじめまして。信州の宮坂亨といいます。

同様の意見を「週刊金曜日」2005年1月21日号で発表してます。「徴兵ではなく国際貢献と災害救助で」というタイトルです。

自衛隊・防衛庁を廃止して国際貢献省と災害救助省を作ろう。という意見です。

似たような発言をしていた日野原重明さんにこのコピーを送ったら、直筆の返事が届き嬉しく驚きました。
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COMMENT:
AUTHOR: 浅井久仁臣
URL:
DATE: 02/27/2006 01:21:20
意見交流をしましょう

宮坂さん

コメント、ありがとうございます。浅井です。あなたが同意見を週刊金曜日に書かれていらっしゃるとのこと。残念ながら週刊金曜日は講読していませんので、よろしければぜひあなたの書かれたご意見を読ませてください。私のアドレス宛にお送りいただければ嬉しいです。ぜひ意見交流をしましょう。
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COMMENT:
AUTHOR: 及川裕二
URL:
DATE: 07/29/2006 01:28:05
同じようなことを考えていました。

加えるに、沖縄の米軍基地を返還させて、その一部(飛行場や港湾施設も含めて)を救援機材・物資の備蓄と救助の訓練のための施設にします。関連の研究・教育機関を併設して世界中から人材を集めるのもいいでしょう。
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COMMENT:
AUTHOR: Unknown
URL:
DATE: 05/30/2007 15:36:37
Unknown

そういえば60年ほど前に同様の決戦思想がありましたね。





イラク人ゲリラが米軍相手に竹槍で戦ってると考えてるのか、


気合いがあれば竹槍で戦車を撃破できると信じているのか。





どう言い訳してみても、平和ボケの軍事・外交・経済音痴です。
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TITLE: もうひとつの日本は可能だ!/アメリカの傘の下からICCの傘の下へ、移動するメリット
URL: http://ukiuki.way-nifty.com/icc/2005/09/icc_abee.html
BLOG NAME: ICCで「人間の安全保障」
DATE: 02/26/2006 18:04:30
2005.9.22.00:30ころ 見えます、見えます。。。 憲法9条を変えるだ
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TITLE: 21世紀こそ国際救助隊の時代に!
URL: http://ukiuki.way-nifty.com/icc/2006/02/21_92a1.html
BLOG NAME: ICCで「人間の安全保障」
DATE: 02/27/2006 01:08:57
2006.2.27.01:00ころ 「まあ、なんかいろいろと安心できないこともあ
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TITLE: 無防備地域宣言運動と自衛隊
URL: http://blog.goo.ne.jp/tohoho_goo/e/3020d8418cdd31127e1b8cee324b91d0
BLOG NAME: とほほブログ
DATE: 02/27/2006 01:26:53
人類の文明とはなんとも愚かしいものである。今回の津波災害でも多くの人が不審に思ったはずだ。ある小島は津波で道路も橋も港も破壊され救助に行くことさえ出来ない、と報道される。しかし人類の技術文明は、それが戦争であれば、簡単に人員物資を送る事が出来るのだ、事実
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TITLE: 比の森林、30年で53%消滅 違法伐採、地・・
URL: http://blog.livedoor.jp/kankyodaiji/archives/50567316.html
BLOG NAME: 環境について考えてみよう
DATE: 03/07/2006 17:28:37
フィリピン レイテ島の災害ですが、やっぱり人災の面が大きいようです。
この30年間で。53%の森林がなくなっている。森林がなくなると、土地の保水力も弱まり、地盤もゆるくなりますから、地すべりが起こりやすくなることは必然です

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TITLE: g6pacjh3
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DATE: 11/13/2007 23:17:27
g6pacjh3 <a href='http://touringsportbmw.com/images/js/djjksr.html'>nokia</a> http://touringsportbmw.com/images/js/djjksr.html <a href="http://touringsportbmw.com/images/js/djjksr.html ">nokia</a>
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コメント
無血開城をしてゲリラ戦をやるというのは、国際法的に認められるのでしょうか。それは無理でしょう。歴史上、フランスのレジスタントにしも、あれはフランス政府が降伏したけど、そんなものは認めないよ、という立場なんですよ。そして両者には明らかな対立があった。群民蜂起は、一部で夢想されているほど簡単ではありませんし、日本には銃を持つ文化がありません。
  • Mas
  • 2013/02/18 7:20 PM
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